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2018/1/5放送

関西音楽新聞からトピックス

紀州徳川第16代当主・徳川頼貞の音楽コレクションのうちベートーヴェンやベルリオーズなどの自筆譜約2万点のうち98点が、2018年1月21日まで和歌山県立博文館にて一般公開されている。

徳川頼貞は、1892年(明治25年)生まれ。明治・大正・昭和を生きた紀州徳川第16代当主で「音楽の殿様」と言われるほどの音楽愛好家として当時から有名で、自らが集めた大作曲家の自筆譜などの音楽コレクションを「南葵音楽文庫」(なんきおんがくぶんこ)に保管していた。
その南葵音楽文庫の隣りに「南葵音楽堂」を1920年(大正9年)に建てて、日本初のパイプオルガンを設置。
パイプオルガンの設置から3年後に関東大震災で音楽堂が被害を受けるが、パイプオルガンは奇跡的に無事で、1928年(昭和3年)にそのパイプオルガンを旧東京音楽学校(現・東京藝術大学)に寄贈。今でもそのパイプオルガンは奏楽堂で聞くことが出来る。

そして頼貞候の音楽コレクションは関東大震災後、いったん読売新聞社が所有し、その後は読売日本交響楽団に渡り、現在に至る。

今回、和歌山県に読売日本交響楽団から寄託と言う形で、2017年12月3日~2018年1月21日まで頼貞候の音楽コレクションの一部を展示。その中の数点について、関西音楽新聞でも取り上げている。

一つはベートーヴェンの「諸国の民謡集」からロシア民謡の冒頭部の自筆譜。
当時ベートーヴェンが活躍していた頃、ちょっとしたお小遣い稼ぎに編曲や作曲するのが流行りだったようで、ベートーヴェンも甥っ子を預かっていた頃に少しお小遣い汗着のために作曲・編曲をしていたと言われている。
また民謡の編曲から、ベートーヴェンの第9交響曲の第4楽章の有名なメロディーが実はオリジナルではなく民謡を引用している(当番組ミュージックアドバイザー/ピアニスト・市川哲也氏談)ことや、ベートーヴェン自身が色んな国の民謡を130曲以上編曲していることからも、その中にはお小遣い稼ぎのものもあったのかも知れない。

♪ベートーヴェン:第9交響曲より第4楽章
(ニコラウス・アーノンクール指揮  ヨーロッパ祝祭管弦楽団)

ベートーヴェンの他にはベルリオーズの自筆で書かれた劇的交響曲「ロミオとジュリエット」の有名な「愛の情景」アダージョのメロディー数小節に、自身のサインを大きく真ん中に書いたものがあり、これは当時、名刺代わりに使われていた楽譜と言われている。

♪劇的交響曲「ロミオとジュリエット」より愛の情景
(シャルル・ミュンシュ指揮 ボストン交響楽団)

この他には自筆としてはヘンデルの通奏低音の演奏習得のポイントを書いたメモや、イタリアの作曲家カゼッラが面識のない頼貞候に「イタリア現代音楽協会の日本支部を作りたい」と協力を仰ぐ内容の書簡などが展示されている。

関西音楽新聞は毎月1日に発刊。購読お申し込みなどのお問い合わせは関西音楽新聞Facebookまたはホームページからお問い合わせください。

クラシックカフェ

京都烏丸御池にある「カフェ星雲」のご紹介。

「カフェ星雲」は、京都三条通りに面した室町界隈にある国の登録有形文化財に指定されている「文椿ビルヂング」の2階にある、大正9年に建てられた木造洋館を2004年にリノベーションされたレトロな雰囲気の建物にあります。

オーナーは元・ソニー香港の社長をされていた日下部雅彦氏。
日下部さんは、大阪大学在学中に学生オーケストラでチェロを、赴任先の香港では、アマチュアオーケストラで指揮もされていました。
また演奏だけでなくご自身で作曲や編曲もされ、海外赴任を20年以上されて、退職されたあとに2か月くらいで作曲された室内楽曲「チェロのための3章」が第18回東京国際室内楽作曲コンクールで入選。その後に作られたピアノの作品も第2回東京かつしか作曲コンクールで佳作とプロ顔負けの経歴をもたれる。

20年以上の海外赴任中に買い集めたクラシックのCD約2000枚は、退職されるまで全てを聴く時間がなかったそうで「クラシックのたまり場」のようなカフェを作って、聴けていないCDを流したり、カフェでミニライブをしたりされたいと思い、日下部さんが思い描くクラシックのイメージに合う京都に「カフェ星雲」を2016年にオープン。
今でも学生時代のオーケストラ部の仲間たちと一緒に演奏活動をされ、そのうちの一つには大阪大学交響楽団のチェロパート8人で結成した「チェロアンサンブル中之島」がある。
またカフェ店内では月に一度ミニコンサートを開催。日下部さんご自身がチェロを演奏されることも。

店内で流れるクラシック音楽は毎日テーマを決め、文椿ビルヂングの入り口にお洒落な看板にその日の店内で流れる曲目が書かれています。また「カフェ星雲」のホームページでもその日に流れる音楽をチェックできます。
京都の街並みにあったくつろげる上品な空間。だけどお喋りを楽しんでも良い居心地の良いカフェ。オーナーのお人柄も素敵ですので、ぜひ一度足を運んでみて下さい。

「カフェ星雲」HP
http://saiwanho2013.wixsite.com/xingyun

Facebook
https://www.facebook.com/xingyunsanjo/

【ボワ通信】幸良佐紀子さん(ガトー・ド・ボワ・ラボ店 / 店長)

番組を提供して下さっている世界の洋菓子コンクール覇者・林雅彦さんの「ガトー・ド・ボワ」さんからラボの店長・幸良佐紀子(こうらさきこ)さんにお越しいただき「ガレット・デ・ロワ」についてお話しをお伺いしました。

「ガレット・デ・ロワ」は1月6日の「公現祭」(エピファニー)をお祝いして食べるお菓子とされていますが、現在では1月6日に限らず、1月中であれば「ガレット・デ・ロワ」を囲んで家族や友人たちが集まる際に食される新年には欠かせない伝統的なフランスのお菓子です。
折りパイにアーモンドクリームが入ったパイのお菓子で、そのパイの中に「フェーヴ」と言う小さな陶器で出来たお人形が一つずつ入っています。

その小さな陶器のお人形「フェーヴ」が当たった人は、その日一日“王様” “王女様”になり、王冠をかぶって皆から祝福されるのが言い習わしだそうです。
「ガレット・デ・ロワ」はクレームダマンドで構成されている一見シンプルなお菓子ですが、職人の技(スキル)と個性がハッキリ出るお菓子で、フランスのM.O.F(フランス最優秀技術者)検定試験の課題にもなっています。
「ガレット・デ・ロワ」にご興味ある方は、ガトー・ド・ボワの林雅彦氏が副会長を務める「クラブ・ドゥ・ラ・ガレット・デ・ロワ」で検索ください。

ガトー・ド・ボワ
http://gateau-des-bois.com/